夢見た虚像の25題

 

きっと明日には嘘になる

わめいた烏はもう飛べない

意識なき人の愛をむさぼる

無知の裏切りをゆるして

水銀は零れたままで

額にひっかき傷

降って湧いた悪意

寂しくなったら笛を吹け

ああ叫ばずにはいられない

波打つ刃に孤独を吹き付けて

許されぬことに安堵している

愛も無いのに交わる不幸を

この痛みを誰にあげよう

日々の声に埋もれて

君の時を止めたい

怒れる車輪に喝采を

飛沫にも満たない狂気

今にも食われる皿の上で

さらばと手を振り海に消えた

とかげの尻尾は人語をつかう

そして人形は知ってしまった

演じることを良しとして

目覚めよ来るな永遠に

さぁ絶望に口づけを

真実のふりをして