【最期の別れへ至る18題】
そう、約束。遺せるのはただひとつの約束だけ。
おいしいって笑うことが、こんなに幸せだなんて知らなかった。
どうか、わたしを愛するのと同じくらい、この世界のことも愛してください。
忘れていいのよ。だってあなたは一人じゃないから。
たくさんの喜びと、たくさんの哀しみと。等しく大切な思い出に囲まれて。
花って素敵ね。まるで明日も生まれるみたいに。
おしまいのキスは、生きてるうちにして。
あなたの笑顔、なんて可愛いんでしょう。だから恋をしたの。
さあ、お別れのハグをしましょう。
「いかないで」って、言えなかったの。「またね」って、言いたかったから。
今だけ、少しだけ……おやすみなさい。
その日のことを、ぼくは何度も、何度も、思い出すだろう。
口づけた唇が、抱きしめた肩が、ぬくもりを失っていくのが耐えられなかった。
泣いたのはきみのせいじゃない。だってここには愛があったよ。
流れていった。きみの亡骸も、ぼくの涙も。
それでも空を向いて歩くきみが、大好きだった。
この痛みは永遠にぼくのもの。
ねぇ、聞こえる? 「ありがとう」も、「愛してる」も、全部あなたにあげちゃった。