穢れたまま抱き合う15題

 

嫉妬深い悪魔は、何気なく舐めるキャンディに君の味を思い出してる。

痛くて、痛くて、最高に気持ちいいことしましょう。

いやだって、言ったのに。そうして君は全部を台無しにするんだね。

いっつもそう。着地が下手なの。そこらじゅうグッチャグチャにしちゃう。

愚かなのは、失った恋に気づかぬまま愛を囁くお前の舌だ。

捨てたものに思いを馳せるより、たった今あんたの目に映るもの愛してもいいんじゃない?

綺麗な人だった。かつては。今じゃもう穢れた世界の一部さ。

あんたもすればいいのに。きっと明日の仕事なんてどうでもよくなるよ。

もう持ってないよ。僕のポケットには、真実なんてひとっかけらも残ってない。

壊しちゃいなよ。あんたを泣かせる世界もみんな、ひっくり返して踏み潰してやれ。

哀しみのウィルスを君に口移ししてあげる。

やめて、知ってる、あたしが全部悪いんだって、生まれたときから知ってるんだ!

きっと狂ったフリもできない君は、イカれた僕の懐で温もりを探している。

いやなの。嫌いなの。こうやってあんたに縋りつくしかない自分が、大嫌いなの。

穢れてたっていい。隙間なく抱きしめたら、どっちの穢れかなんて分らなくなるから。