あいまいな距離をうめる20題

【あいまいな距離をうめる20題】


目元の優しいところなんか、彼にとても似ている

君を嫌うことは容易い、君を愛することはもっと容易い

すっと指を添えて、年上のあなたは微笑む

ほんのわずかな触れ合いだった

ちぎれたストラップの行方をしばし想う

君でなければならない訳を、順を追って話そう

初めての金曜日、夜が来るのが待ち遠しくて

こんなにあなたは遠いのに、声だけは近くにあるから

洗濯機の中でぐるぐる、綺麗になるために絡まって

別れの言葉が思いつかないから、 (今日も延期します)

どうしても今じゃなきゃ、今の君に言わなきゃだめなんだ

これが何度目かなんて思い出せないくらい

ごめんと泣く君の額にくちづけ

あなたの名前を上手く呼べないの、まだ、でも、いつか

ゆっくり歩いておいで、君の足で、ゆっくり

借りたままの言葉を返しに行くよ (延滞料もつけてね)

息を吸う、息を吐く、そして彼は人間になる

この手を掴んだんだ、間違いなく君の手だ

あなたが触れたとき、生まれた感情です

愛だね、たぶん

 
 
 
 

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