【武人が歩む24題】
決意の顔で雨に濡れる
ちぎれた記憶の糸結び
骨肉の味を知れ
失費は我の責でもなし
痴れ者なれど口達者
意味のない接吻
再会は懺悔の後で
切り結んでは君のため
覇者、肋骨にさえずる
暴れ馬は若人に啼く
孤独な空が震えていた
嗚咽、慟哭、やがて静寂
痛みの中を行け
透ける血潮に笠を捨てた
曇天を裂き獣吼える
人の域を越えた果てに
土砂降りの中で笑っていた
ここに生まれた絶望と希望
草履が擦る音、聞こえますか
この傷よ消えてくれるな
後には戻れぬ契りを、今
遠く宛て無き文したためて
誰が其処に花を植えたか
旅と人よ、幾度巡るかこの命